水無月***国民所得倍増プラン!
2022年6月29日(水)+23346人
先ずは資産を持てない国民の所得倍増プランを打ち出さないと始まらない!
10年間で国民の所得を2倍にする――。こんな無謀にも思える計画が1960年代の日本にはあった。その名はずばり「所得倍増計画」。閣議決定の文書によれば、国民の完全雇用を達成すること、国民の間にある格差をなくすことが目的に掲げられていた。
岸田首相が言う「貯蓄から投資へ」はその前提は既に余力ある金融資産を持っている国民向けなのが問題だ。
---日本の個人金融資産は2021年に2000兆円を突破し、その多くは現金預金だ。経済協力開発機構(OECD)によると日本の現金預金比率は20年で54%と世界的にも非常に高い。米国は13%だ。他方、株式の保有比率は低い。米国の37%に対し、日本はわずか11%だ。日本の個人金融資産の現預金比率が高いのも、日銀の異次元緩和の当然の結果だ。発行済みの巨額の貨幣は誰かが保有せざるを得ないからだ。
この状況に岸田文雄首相は「貯蓄から投資へ」を掲げ、資産所得倍増プランを打ち出した。個人金融資産を株式投資に向けて株式市場を活性化し.株価を上げて資産所得を増やそうというわけだ。背景には、株式投資が増えれば株価が上がるという思い込みがある。
しかし、株価など資産価格は、需給で決まるわけではない。いくら個人投資家の株式投資を推奨したところで、株式が投資家の間を行き来するだけで企業収益には影響せず、それでも株価が上がるとすれば、それはバブルでしかない。
ところが岸田首相は、個人投資家を堅実な貯蓄から株式に誘導することで、すなわち株式市場での投機をあおり、バブルを生もうとしている。我々は1990年代のバブル崩壊やリーマン・ショックを経験している。それに懲りず、再び国民にその道を歩ませようというのか。
地に足のついた株価の上昇は、投機の推奨ではなく、企業業績の改善でもたらされるものだ。総需要が変わらなければ、1社が業績を伸ばしても、ライバルが蹴落とされるからだ。日本全体の資産を引き上げるには、すべての企業の業績改善が必要であり、それには総需要を増やすしかない。結局、経済の活性化には地道な景気対策しかない。「新しい資本主義」の名の下、奇策を打ち出しても実体経済への効果はない。効果が現れるとすれば、バブル再燃だけだ。(魔笛より抜粋)---。
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